映画『アイフィールプリティ』視聴感想。見た目より中身とは言うけれど…

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どうも、もちーです。

Amazon primeでずっと前から気になっていた映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』を観たので感想を綴っていこうと思います(・∀・*)✨
ネタバレ&やや辛口感想なので注意⚠️



あらすじと概要


全米の人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー主演で贈るコメディ。ぽっちゃり体型で容姿に自信を持てなかったヒロインが、転倒して頭を強打したのをきっかけに、自分を完璧な美人と思い込むようになってしまったことから巻き起こる大騒動をコミカルに描く。共演はミシェル・ウィリアムズ
監督は人気脚本家コンビで本作が長編監督デビューのアビー・コーン&マーク・シルヴァースタイン。
サエない容姿のせいで自分に自信が持てないレネー・ベネット。一念発起してスリムになろうとジム通いを始めるがトレーニング中に転倒して頭を強打し失神、目を覚ました彼女は自分が絶世の美女になったと思い込むようになっていた。実際には何ひとつ変わってないにもかかわらず、その言動はすっかり自信に満ち溢れ、たちまち仕事も恋も絶好調になるレネーだったが…。


監督:マーク・シルヴァースタイン、アビー・コーン

《出演》
エイミー・シューマー
ミシェル・ウィリアムズ
トム・ホッパー
ローリー・スコーヴェル
エイドリアン・マルティネス
エミリー・ラタコウスキー
ナオミ・キャンベル


面白かったけれど微妙な点がいくつかある


アマプラの評価も高いし、SNSでもこの映画面白い!と言っていた人が多かったので期待値高めで試聴しました。
元気になれる&自己肯定感上がる映画……という風に書いている人もいたので、「ほう、これは絶対面白いに違いない」と思ったわけです。

自己肯定感下がりまくりな主人公レネーが頭を打ったことで自分が絶世の美女に見えるようになり、行動や思考が変わって恋愛も仕事も上手くいく。
設定がすでに面白そうですよね。
でもなんというか、私にはあまり刺さらなかったのです。


レネーの行動が突飛すぎる


共感性羞恥が激しく刺激されるような突飛な行動をしまくるレネー。
外見が変わったからってそんな行動する?ってくらい大胆な言動を繰り返します。
それがこの映画の面白さでもあるし、コメディとしてはいいんだけど。
共感性羞恥で見られない…という感想を見かけてめっちゃ頷いてしまった。


発想がありきたりで誰でも思いつきそう


レネーが憧れの本社に入れることになって、庶民向けのメイク道具についてアイディアを出すシーンがあるんだけど、「あれくらいのアイディアなら誰でも考えられるよね?」となってしまった。
今まで庶民向けのメイクを試したことがないとか、高級なものしか使ったことないから分からないみたいな空気だったけど、普通に誰でも思いつきそうだなって思ってしまった。


友達を下げるような発言が目につく


乗り気じゃない友達をクラブに連れていこうとしたり、クラブに入れないのは「ヒールじゃないからよ」と言ったり。
ジムで出会った美女のマロリーのおかげでクラブに入れることになったけれど、友達には「私は入れるけどあなたたちはダメ」とか言ったり。
もうとにかく「クラブに入れないのはあなたたちのせい」という友達を下げたような言動がやたらと目に付くんですよね。
それなのに、イーサンに対しては辛辣なことを言わないのは謎。
あと、気になる男の子がいる友達のためにレネーが張り切るんだけど、「セクシーに見せなきゃダメ」と明らかに場にそぐわない言動をして周りをドン引かせてしまったり。
なんか最後のスピーチでいい感じになってたけれど、ちゃんとしっかり和解できたのか微妙な感じ。
果たしてあれでまたレネーと友達になろうって思えるのだろうか、全くもって謎である。


どこまで行っても見た目に振り回される主人公


見た目が変われば考え方が変わる。考え方が変われば付き合う人間も変わる。
序盤に見た目のせいで散々周りから馬鹿にされたり差別的な態度を取られてきたにも関わらず、自分は友達に対して同じことをしてしまうんだ……という残念な感じ。
地獄から天国への差を描いているのだと思うけど、目に余るな〜と思った。
受付の仕事をしてる時も、見た目が普通な女性には雑な態度を取ってすぐ隣の美人は褒めたりして。
あとね、レネーがまた頭を打って元に戻る(美女に見えなくなった)んだけど、そこからもすごかった。
自分が元の姿に戻ってしまって一気に自信を無くして仕事をすっぽかし、上司からの電話も出ずに家で寝て過ごすレネー。
まあ、ショックなのは分かるけれどめちゃくちゃ周りに迷惑かけてるんだよね。
酒に酔って友達のところを訪ねて、今までのこと謝るから前みたいに友達に戻りたいって…。
友達のボーイフレンドを「この間の冴えない男」と言ってしまうあたり何が悪かったのかも分かってない様子だし、結局どこまでいっても見た目に振り回されてるんだな…。


最後の盛り上がりが今ひとつ


後半、イベントのスピーチでレネーが何やら良いことを言って観客も拍手喝采盛り上がって大成功!なんだけど、私的には今ひとつピンと来なかった。
それも今までのレネーの言動に不信感しか抱いていないせいかもしれない。
美女から元の姿に戻ってしまってあんなに落ち込んでいたのに、結局「元の姿の私でもいい!ありのままでいいんだ!」というエピソードがないまま思いつきで行動してイベントに乗り込んだようにしか見えなくて、「なんで????」という感情しか湧いてこなかった。


まあでも、地獄も天国も味わったからこそ「今のありのままの自分でいいんだ」というレネーの心の叫びのようなものは感じ取れてよかったけど。


でも、良かった点もたくさんあった


ここまでめちゃくちゃ批判的なことを書いてしまったのだけど、良かった点や考えさせられる点もたくさんありました。


目立たないキャラだけどイーサンがなかなか良さげ


頭をぶつける前の主人公のような、どこか自信なさげなイーサン。
最初は強引なレネーに引いてたけれど、レネーの人目を気にせず自信満々に振る舞う姿に「どうしたらそんなふうになれるの?」と憧れを抱くように。
イーサンはあんなふうになりたい、と思いながらも最初から最後まで一貫して変わらなかったのが個人的によかった。(主人公に触発されたのかジムに行ったみたいだけど)
レネーが頭を打って色々あったなんてことは知る由もないんだけど、イーサンは見た目じゃなくて中身でレネーを選んだんだよね。
ただ、イーサンが好きなレネーは自分が美女だと信じて疑わない自信満々なレネーなんだけれど。
レネーが自信を失って急にメンヘラみたいなムーブ起こしても、鼻をほじっていても優しく迎えてくれたイーサンは間違いなくいい男。
イーサンはレネーとの出会いで良い影響を貰ったんだなと思った。


美女マロリーの悩みや苦しみのシーンもあった


マロリーが彼氏に振られて落ち込んでるシーンがあってレネーが元気付けるんだけど、美女も振られるなんてことあるのね、というニュアンスのセリフをレネーが言う。
そりゃ美女でも振られることくらいあるでしょうよ、と思いながらも「美女だから全てが順調ってわけじゃないよ」ということもサラッと触れてたのが良かった。
あとお店でナンパされてたときも、レネーはそれを見て羨ましい!と半ば憧れのように思っていたけれど、マロリーにとっては嬉しいことでも羨ましがられることで何でもないんだよね。
寧ろしつこいナンパにうんざりしてるというか。
誰かにとって羨ましいと思えることでも、その人にとっては嫌なことなんだという対比が現れてて印象的でした。
それとマロリーが普通に綺麗で良い人って感じだったのも好感持てた。


レニーが努力家ですごい


レネーは食事制限全くせずに食べたいもの食べまくりで痩せる気あるのか?となるけれど、ちゃんとジムに通ってるのがえらいよね。
冒頭でもジムに通ってたし、元に戻ってもめげずにジムに通っているのはすごいと思った。
あと本社で働くことに対しての憧れと情熱がすごかった。
レネーの行動力は見習いたいところ。


レネーの美女の姿は視聴者の想像にお任せ


レネーには自分が絶世の美女に見えていたようですが、結局どんな姿に見えていたのかは想像にお任せ、という感じで個人的によかった。
腹筋がすごくてスタイル抜群の美女ということはレネーの発言からはわかるんだけどね。
 

まとめ


映画の設定自体は面白いし、伝えたいメッセージもはっきりしてる。
全体的にはそこまで私には刺さらなかったけれど、なんだか色々考えさせられる映画でした。
太ってるだけでこんなに雑に扱われたり悲惨な目に遭う??と思ったわけですが、それを映画だから誇張して見せているんですよね。
そしてレネーは決して不細工なわけではないと思う。
痩せたら普通に綺麗なお姉さんになると思うし。

映画は演者の声を聞きたいタイプなので吹き替えよりも字幕を選びがちなんだけど、レネーの声を渡辺直美さんが演じているそうなので機会があれば吹き替えも観てみようと思います。